田原 大輔教授

「医学の発達」の多くは、「医療を支える工学技術の発達」

Daisuke Tawara

専門分野

バイオメカニクス(生体力学)、計算力学、医用生体工学・生体材料学

専門領域・
研究テーマについて

Q

専門分野について教えてください。

重力の中での生体と力学の互いの働きかけを調べ、生体がどのように力を利用し、力に影響されているかを調べる「バイオメカニクス(生体力学)」が私の専門です。そこでわかったことを「医療・福祉支援技術」、「機械工学への応用」につなげようとする機械工学の新しい研究分野です。例えば、骨密度だけで説明できない骨折の危険性の力学的な予測方法の開発、シミュレーションによる全身の動作時の筋力推定、外科手術における骨固定デバイスの適切な設置・手術方法の提示、尿失禁改善用サポート下着開発などがあり、医療技術の発展や、生体内の機能の解明への貢献が大きく期待されています。

Q

この分野の面白さは、どんなところですか?

「医学が発達した」という言葉が出てくるとき、実のところその多くは「医療を支える工学技術が発達」しています。それを担う大事な方法・考え方のひとつが「バイオメカニクス(生体力学)」です。医師自身が救えるのは目の前の患者に限られますが、工学で優れた技術を作ると、たくさんの人を助けることができます。そこが醍醐味です。日本ではまだ40~50年の浅い歴史しかない新しい研究分野のため、常に明日の教科書の1ページを研究室で学生と一緒に作っている感覚がたまらなくおもしろいです。

田原 大輔教授

  • 田原 大輔先生の

    好きな作品

    刑事ドラマ・サスペンス映画や漫才・落語等の番組が好きです。「論理的なストーリーや伏線から、種明かし(落ち)に至る構成」は、研究プレゼンにも似ています。また、デンマーク滞在時には日本アニメが人気で、その魅力を再認識しました。

田原 大輔教授

先生の

  • 好きな作品

    刑事ドラマ・サスペンス映画や漫才・落語等の番組が好きです。「論理的なストーリーや伏線から、種明かし(落ち)に至る構成」は、研究プレゼンにも似ています。また、デンマーク滞在時には日本アニメが人気で、その魅力を再認識しました。

受験生に向けて

Q

受験勉強のコツを教えてください。

私は基本を何度も繰り返し、手を動かして勉強していました。ボールペンでメモ用紙が何枚も真っ黒になるくらいです。手を何度も動かすと、自然に体と頭が覚えてくれます。建物も基本の土台が弱いとその上に建てた構造がぐらつきますので、まずは基盤をしっかり築くこと。その後はバランスが大事かなと思います。科目の偏りのない勉強は、総合的な力になります。

Q

もし先生が先端理工学部の学生なら、どんなプログラムを組み合わせますか?

「バイオニックデザイン」と「先進機械工学」を組み合わせます。
最近の機械工学の応用先は、伝統的な自動車分野や重工系のみならず、医療機械や福祉ボットの設計・開発等にまで広がっています。先進的な機械設計の基本と最新技術を「先進機械工学」で学ぶとともに、「バイオニックデザイン」で生体の巧みな構造と機能を学んでいく。そうすることで、機械工学のしっかりとした基盤を基に、視野が広く、斬新な設計・開発のアプローチを身につけた、新しい時代の機械工学エンジニアになる道が拓けます。

田原 大輔教授

受験生への
メッセージ

歴史が長い機械工学の基礎をしっかり理解してもらうことはもちろん、機械工学の新たなブレークスルーにつながる斬新なアイデア・方法を取り入れたバイオメカニクス(生体力学)のユニークな研究を一緒にできることを楽しみにしています。私が担当する「バイオニックデザインプログラム」をはじめ、多彩な学びに期待して本学を志していただければうれしく思います。

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