革新的な新素材を創造し、世界のエネルギーを大切に使う社会へ
大柳 満之教授
Manshi Oyanagi
専門領域・
研究テーマについて
専門分野について教えてください。
将来の日本のエネルギー事情は必ずしも明るくありません。現在、日本のエネルギー自給率は10%にも満たなく、そのほとんどは海外に依存しています。これからの産業は、世界的に見てもエネルギー利用の高効率化や省エネルギー化、新しいエネルギー変換技術などエネルギーを取り巻く数多くの解決しなければならない課題に関連する分野が大きく発展しなければなりません。国内だけでなくグローバルに革新的な新素材を創造することにより、世界のエネルギーを大切に使う社会が求められています。
専門分野の面白さは、どんなところですか?
無機材料化学の分野で、エネルギー利用の高効率化や省エネルギー化、新しいエネルギー変換技術などの例をいくつか挙げましょう。まず、航空機による化石燃料の消費は、世界的な課題になっています。航空機エンジン部品をスペースシャトルや大陸横間機の大気圏突入時にも耐えられるの耐熱セラミックスに代えることによりエネルギーの高効率化が実現できます。また、無機化合物の高機能触媒を開発することにより有機・無機反応に必要なエネルギーをかなり抑えながら有用な素材を創製することができます。一方、核融合や太陽エネルギーなどを用い水素を製造し、クリーンなエネルギーに変換することにより、地球にやさしい社会の実現に貢献します。
受験生に向けて
受験勉強のコツがあればお教えください。
受験勉強に王道はありません。一生懸命勉強してください。数多くの問題を解き熟すことも重要ではないでしょうか。
もし先生が先端理工学部の学生なら、どんなプログラムを組み合わせますか?
折角、学科が撤廃され6つの教育課程を25のプログラムができたので、課程を横断してプログラムを履修して頂きたいと思います。応用化学系の学生でも、化学や物理を含む応用化学の基幹学問分野だけでなく、AIやIOTが進む時代を見据えて統計学、情報学、システム学なども積極的に勉強してください。将来は、時の流れで学部横断的なプログラムもできるはずです。幅広い教養に加えて、専門性のあるビジネス系学問なども学生時代に垣間見ることができれば財産となるでしょう。これら勉強のフィールドは、決して大学や教室にあるだけではありません。先端理工学部R-gap期間を利用して、学生時代に国内外の企業や他大学に身を置き、幅広い経験から人生にキラリと光るものを見つけて頂きたいと思います。