氷の融解からがん細胞まで応用数学の立場で研究する
村川 秀樹教授
Hideki Murakawa
専門領域・
研究テーマについて
専門分野について教えてください。
自然現象、社会現象、諸科学における問題等、様々な現象の理解のために応用数学の立場から研究を行っています。特に、以下のようなことを包括的に研究しています。
・現象を微分方程式等で表現する(数理モデリング)。
・そのモデルから得られる現象の数理的特長を解明する(解析)。
・現象の予測、再現、制御を目的とした数値解法の開発とその妥当性を保証する(数値解析)。
・上記を用いて、実社会、工学、生命科学などにおける問題を解明する(応用)。
これまでに、氷の融解、水の凝固、地下水の流れ、生物種の競争及び協調、熱傷創感染、核廃棄物の埋設処分に関連する化学反応、原子配列の構造、結晶成長等、様々な現象・問題を扱ってきました。特に、これらの問題に対する近似解法や効率的な数値解法の開発とその解析を行ってきました。近年では、生命科学に興味を持ち、幹細胞、神経細胞、がん細胞などの振る舞いについて研究を行っています。
専門分野の面白さは、どんなところですか?
・抽象的であり整然とした理論である数学から創られたものは、実は効率的であったり、効果的であったり、経済的であったり、更にそこから美しい理論が展開されたりすることが多くあります。自分でそういうものを創ったときは、とてもうきうきします。
・最近はお医者さん達と共同研究しているのですが、お医者さんでも分からない細胞などの性質などが、数学を使って、または数学的な思考を用いて分かることがあります。とても楽しいですし、わくわくします。
受験生に向けて
受験勉強のコツがあればお教えください。
・教科書をマスターすること。教科書は薄いですが、重要なことはすべてそこに書かれています。
・解答に頼らず、時間がかかっても自分で答えを導くこと。
もし先生が先端理工学部の学生なら、どんなプログラムを組み合わせますか?
自分の研究に必要な「数理解析」+「現象の数理」+「情報科学」ですね。ただ、「航空宇宙」、「生物多様性サイエンス」、「データサイエンス」、「先端ロボティクス」...その他、全部面白そう!時間さえあれば色々学んで、新たなことに挑戦したい!