(前編)レッツ・センタン!
〜先輩が語る先端理工学部のリアル〜
「先端理工学部の学びの内容や特色は、WEBサイトなどでチェックしました。では、実際に学修している学生の実感は?」と感じている方もいるでしょう。そこで、3年次と4年次の在学生に集まってもらい、本音で話してもらいました。
今回のなかのヒト
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松本 虎太郎
数理・情報科学課程
4年次大阪・私立常翔啓光学園高校出身
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竹内 槙作
知能情報メディア課程
3年次滋賀・県立玉川高校出身
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茶谷 哉汰
電子情報通信課程
3年次滋賀・県立守山中学校・高校出身
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甲村 隆太郎
機械工学・ロボティクス課程
4年次京都・府立莵道高校出身
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岡 明澄
応用化学課程
4年次愛知・私立愛知工業大学名電高校出身
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善積 沙耶
環境生態工学課程
3年次大阪・府立都島工業高校出身
25
「ひとまず広く、そこから深く」学ぶ
25の『学びのプログラム』
先端理工学部のどんなところに魅力を感じて志望しましたか? また、「課程制」の特長である、さまざまな分野を学べる25の『学びのプログラム』についての感想は?
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まず、自分の課程以外のプログラムも受けられる「課程制」に興味を持ちました。専門分野で実践的な学修ができることに加え、幅広い知識を習得できる点に魅力を感じて志望しました。
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私は高校で化学と生物を学んでいたので、関連する学修ができる大学を探してしたところ、先端理工学部の環境生態工学課程に出会ったんです。「課程制」は特に重要なポイントではなかったんですが(笑)、学修がはじまってから「これは良い制度だな」と実感しています。
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幅広く学べる点が良いですよね。僕は、数理分野と情報分野の両方を学べる数理・情報科学課程に魅力を感じて入学しました。実際、入学当時は数理をメインに学びたいと思っていたんですけど、今は情報分野に興味が向いています。
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興味の対象が変わることはありますよね。学修内容が専門分野だけに限られていると「学びたいことと違う」というギャップが出てくると思いますが、先端理工学部はそういうことは少ないんじゃないでしょうか。
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僕は知能情報メディア課程なので、メインはソフトウェアやネットワークの学修なんですけど、他の分野の勉強もして知見を広げたいと思っていて、25の『学びのプログラム』はそういうニーズに応えてくれるのが嬉しいです。
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自分のメイン以外のプログラムも気軽に受けられるんですよね。私はプログラミングに興味が湧いたので選択してみました。最初は授業についていけるか不安なところもありましたが、繰り返し復習をすることで少しずつ理解できました。
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たとえば、機械工学のプログラムで得た知識を知能情報メディアで活用するなど、自分のメインの分野とそれ以外の分野の共通点を見つけて、どう活かすかを考えることっておもしろいし、そういう発想や思考が社会で求められているように思います。
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理系の学修は「狭く・深く」という姿勢がベーシックだと思いますが、先端理工学部は「ひとまず広く、そこから深く」学べる環境が特長だと思います。
3
自分自身の体験を通じて
新たな発見と出会う『R-Gap』
先端理工学部では、1年を4つのタームに分けた「クォーター制」を採用していて、3年次の第2クォーターと夏休みを合わせた約3ヶ月間を、さまざまな活動ができる『R-Gap』と位置付けています。みなさんは『R-Gap』を利用してどんな活動をしましたか?
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僕は友人とチームを組んで、データ分析を活用した英単語学習アプリを作成しました。大きな特長は、ユーザー一人ひとりの習得度に応じて出題内容が変わる機能を備えている点です。
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パーソナライズ学習機能を備えているということですが、どのようにユーザーの習得度を判定しているのですか?
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簡単に説明すると、ユーザーが不正解した単語に「間違えたポイント」が加算され、「間違えたポイント」が多い単語ほど覚えていないと判定されて出題率が高くなります。そうすることで習得につなげるのが狙いです。作成の過程では技術面で苦労することはありましたが、それよりもメンバーをまとめるマネジメントが難しかったです。
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よくわかります(笑)。私は単三電池40本で走る車をつくり、鈴鹿サーキットを3周してタイムを競う「Ene-1 Challenge」のメンバーとして参加しました。もともと車が好きで、1年次、2年次で学んだことをアウトプットしたいという気持ちが強くなったことが参加した動機です。私はリーダーやメンバーをサポートしてプロジェクトを進める役割を担当したのですが、普段の授業では経験しないことばかりで試行錯誤の連続でした。でも、この活動を通じて物事に取り組む姿勢が変わったので、チャレンジして良かったと思っています。
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そういうコミュニケーション能力やマネジメント能力の大切さを体感できることが『R-Gap』の特長のひとつですね。
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ここにいるみなさんは、自主的に活動に取り組む「プロジェクトリサーチ」を利用されていますが、僕は「グローバル人材育成プログラム」を利用してアメリカ・サンフランシスコへ研修に行き、シリコンバレーの企業見学や、NPO団体のインターンシップに参加しました。
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インターンシップではどんなことをしたんですか?
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サンフランシスコのジャパンタウンにOSAKA WAYと呼ばれる芸術家によって作られた通りがあるんですが、老朽化で足元が悪くなっているんです。それを、芸術性を保ちながらどのように修復すれば良いのか、地域の人たちの意見を聞くアンケート調査を行いました。
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現地での活動はすべて英語?
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そう。そのおかげで英語でコミュニケーションをとることへの気後れがなくなりました。また、仕事に対する責任感も体感できて勉強になりました。
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アメリカでの経験を通じて卒業後の進路や将来の目標は見えてきましたか?
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「卒業後の進路」のテーマのところで話そうと思っていたんですけど、質問を受けてしまったので今話します(笑)。『R-Gap』の前は自分が何をしたいのか定まっていなかったんですが、アメリカでの経験を通じて英語力を活かせる仕事に就きたいと思うようになり、外資系企業への就職も視野に入れています。
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やっぱり自分自身で行動して、感じたことってインパクトがありますね。
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私は専門分野の化学について理解を深めるために『R-Gap』を活用しました。具体的に何をしたのかというと、「フォトクロミック結晶の現象と分子挙動についての調査・研究」です。
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テーマの時点ですでに難しい(笑)。
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研究内容を話すと長くなるのでカットして(笑)、『R-Gap』の活動を通じて研究の取り組み方が分かり、3年次の第3クォーターから本格的に取り組む卒業研究の準備になったことが大きな収穫でした。特に実験の結果に対して、なぜそうなるのかをメンバーと検討する過程が勉強になりました。
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僕は小中学生を対象にしたプログラミングのオンライン教室の運営と指導にチャレンジし、今も継続中です。立ち上げからすべて一人で行ったのですが、税制や法律の知識がなかったので、税理士や弁護士の方々に相談しながら進めました。
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すごいですね。生徒さんも自分で集めたんですか?
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アルバイトをしていた塾が閉校になるということで、教室長に相談して、生徒さんの中で受講を希望する人を募りました。今のところ指導はレベルを4段階に分けて行っているのですが、今後を見据えてその上の指導内容を検討しているところです。
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運営という観点でいえば、生徒さんを確保し続けることが大きな課題になると思うので、PR活動が重要になってきますね。
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そのために大学の教室を借りてワークショップを開く予定です。その他にもチラシやSNSで認知度を高め、関心を持ってもらえる機会を作ろうと考えています。
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確認ですが、全部一人でやってるんですよね(笑)。
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それぞれ興味深い活動をしていますが、『R-Gap』があったからこそアクションを起こせたところはありますか?少なくとも僕はきっかけになりました。
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それは大きいです。ゼロからはじめるのは勇気とパワーが必要ですが、『R-Gap』があったことで最初の一歩を踏み出せました。
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前もって準備しておけば普段の授業の負担にはならないので、何かやってみたいという気持ちがある人は、是非チャレンジしてほしいですね。。