高機能な高分子・超分子材料を開発する
河内 岳大教授
Kawauchi Takehiro
専門領域・
研究テーマについて
専門分野について教えてください。
「プラスチック」に代表される高分子は、ある構成単位(モノマーユニット)が数多く繰り返し連結した構造を有しています。タンパクやDNAなどの生体分子も高分子ですが、プラスチックとの大きな違いは、化学構造、分子量、立体配置などの分子のならび(一次構造)が精密に制御されていることです。この精緻にプログラムされた一次構造に基づいて、αへリックスやβ-シート、二重らせんなど3次元構造(二次構造)を形成し、さらにそれらが時空間特異的に組織化することで代謝や遺伝などの極めて高度な機能を発現します。ありふれた合成高分子であっても、一次構造を制御すれば生体にも匹敵する分子機能を発現する・・・かもしれません。私たちは、分子を精密に連結した高分子を合成し、それらを合目的に組み上げることで高度な機能を発現する高分子・超分子材料を開発しています。
専門分野の面白さは、どんなところですか?
ゆがんだ歯車では、当然時計は動きません。精巧なネジや歯車をただ寄せ集めても、もちろん時計にはなりません。精巧な部品をつくり、それを組み上げるのは「ものづくり」において当たり前ですね。この「ものづくり」に分子で挑戦しているところが面白さです。
受験生に向けて
受験勉強のコツがあればお教えください。
「わからない」、「解けない」であせらないことでしょうか。「知らないことは、これから知ればいい」と思っています。
もし先生が先端理工学部の学生なら、どんなプログラムを組み合わせますか?
「高機能新素材」を軸として「エネルギー」や「環境共生」などを学び、まずは基礎固めをします。移ろい易い現代ですので、社会の要請も変遷します。基礎がしっかりしていた方がより良く対応てきると思うからです。土台を決めた上で、「航空宇宙」、「電子デバイス」、「ロボティクス」などの科目を履修し、素材から完成品までの「ものづくり」を学んでみたいですね。欲張りですが、せっかくの大学生ですから。