生物が持つ分子を解明し分子組織を創り出す
宮武 智弘教授
Tomohiro Miyatake
専門領域・
研究テーマについて
専門分野について教えてください。
化学物質はその分子の構造によって、性質や働きが大きく変わります。分子の構造を設計し、これまでにない新しい機能をもつ素材・材料を生み出すことで、より良い社会づくりに貢献できることが、化学の素晴らしいところです。ところで、地球上の生物はタンパク質やDNAなど、多彩な分子を使って生命活動を行っています。こうした生物がもつ分子は、環境との調和を図りつつ自然の一部として働き、優れた働きを持っています。私の専門分野である「生物有機化学」の分野では、こうした生物が持つ分子の構造や性質を解明し、これを応用して新しい化学物質を創ることを目指しています。
専門分野の面白さは、どんなところですか?
生物がもつ分子は、長い地球の歴史の中で生命の進化とともに形作られてきました。生体分子は優れた機能を発揮するために適した分子構造を持っていて、こうした分子が組み合わさって様々な組織がつくられます。私が専門としている光合成色素(クロロフィル)は、太陽光を効率よく吸収できるだけでなく、タンパク質などの他の分子と効果的に結びつくように設計されています。このような生物の分子の構造・特色に着目して、新しい機能を持った世界で唯一の分子組織を作っています。
受験生に向けて
受験勉強のコツがあればお教えください。
化学の教科書には、化合物の沸点や融点、反応熱、電離度など、いろいろなデータが載っています。こうしたデータを注意深く比較しながらみていると、化学物質の性質がよく理解できると思います。
もし先生が先端理工学部の学生なら、どんなプログラムを組み合わせますか?
「生命機能化学」と「電子デバイス・マテリアル」
生物由来の材料を使った医療にも利用できるセンサーなど、画期的な電子デバイスが作れるかもしれません