衣料のワイヤーや新幹線のギアに用いられる形状記憶合金を研究
左近 拓男教授
Takuo Sakon
専門領域・
研究テーマについて
専門分野について教えてください。
形状記憶合金の磁気機能性の研究をしています。形状記憶合金は力や熱で変
形したり、元の形に戻りますが、磁場によっても伸び縮みします。これを磁歪
と言います。磁歪材料は磁気センサや振動子として研究がなされており、自動
車をはじめとした各種センサへの応用が期待されています。また、形状記憶合
金に外部から力を加えれば逆磁歪効果といって、発電素子としても使えるの
で、省エネルギーにも貢献するものと期待されています。
専門分野の面白さは、どんなところですか?
形状記憶合金は衣料のワイヤーや、新幹線のギア(車軸)の冷却オイルの制
御に使われています。冷凍素子としても期待されているんですよ。磁場を加え
るだけで冷えるんです。冷却効率のいい合金を探索中です。また、この合金の
基礎磁性も研究中ですが、新規な現象も我々の実験研究で見つかっています。
もしかすると物理学の教科書を書き換えるような発見が見つけられるかもしれ
ません。
受験生に向けて
受験勉強のコツがあればお教えください。
まずは教科書をノートに全部写してください。教科書の問いや演習問題もきちんと全部やること。手で書くことで記憶にも残ります。
もし先生が先端理工学部の学生なら、どんなプログラムを組み合わせますか?
宇宙物理学なんかどうでしょうか。宇宙の起源は奥が深い。機械課程では宇宙や航空に関係する研究もしているので、宇宙関連の物理学は面白いと思います。