生物を真似て人工的な機能材料を作り上げる
内田 欣吾教授
Kingo Uchida
専門領域・
研究テーマについて
専門分野について教えてください。
我々は、生物の機能を真似た、光に応答する材料の研究をしています。生物に学び、人工的な機能材料を作り上げるバイオミメティックス(生物模倣)は、これからの環境を重視した技術の発展に関わる重要な分野です。進化の過程で生物が長年かけて身につけてきた機能を模倣することで、予想もしなかった新機能が容易に生み出されるのです。また、この過程で、自然の仕組みを理解することもできます。毎年毎年、今まで知られていなかった生物の機能が見つかることにより、バイオミメティックスの研究にも新たな目標が加わり、予想もつかない発展が期待されるのです。
この分野の面白さは、どんなところですか?
私たちのバイオミメティックスの技術は、光に応答する分子(フォトクロミック分子)の結晶を使います。この結晶に紫外線を照射すると、不思議なことに生成した化合物の結晶が、まるで生き物のように表面に生えてきます。ハスの葉の表面のような形状が作られると同時に、水をはじき返す機能も備わっています。このフォトクロミック分子は生き物ではありません。しかし、生物の体を構成するものも分子であり、まるで分子に意思があるかのような錯覚を覚えるときもあります。
受験生に向けて
受験勉強のコツを教えてください。
受験勉強では覚えないといけないことばかりですが、理解することで頭に残りやすくなる科目もあります。有機化学は、必ずしも暗記の科目ではありません。なぜ、そうなるのか考えると思わぬ発見があったりします。
もし先生が先端理工学部の学生なら、どんなプログラムを組み合わせますか?
機械や電子情報の分野と応用化学の科目を組み合わせて、多角的な勉強をしてみたいです。