「この商品を買った人は、こんな商品も…」推薦システムの研究
奥 健太講師
Kenta Oku
専門領域・
研究テーマについて
専門分野について教えてください。
「この商品を買った人は、こんな商品も買っています。」Web上のいたるところで、このようなフレーズと共に、お薦めの商品が提示されるのをみたことがある人も多いでしょう。推薦システムは、膨大なコンテンツ群の中から、その時、その場、その人に合ったコンテンツを提供するシステムです。Webの発展に伴い、日々膨大かつ多種多様なコンテンツが生み出されるようになり、推薦システムの重要性はますます高まってきました。
専門分野の面白さは、どんなところですか?
「彼を知り、己を知る」という孫子の言葉があるように、良い推薦システムを実現するためには、彼(コンテンツ)と己(人間)の両者を深く理解する必要があります。例えば、音楽推薦システムを考えた場合、人は音楽のどのような要素に惹かれるのでしょうか。音楽のアーティストなのか、あるいはタイトルや歌詞などの言語的なものなのか、メロディや音色などの音の特徴的なものなのか、それとも音楽を聴いているときの周辺の環境なのか。観光情報推薦システムを考えた場合、人はどのような土地に旅行に行きたくなるものでしょうか。景観の良い土地なのか、歴史的に重要な土地なのか。実際に推薦システムを開発する段階では、情報技術を使ってコンテンツの特徴や人間の嗜好をモデル化していくことになりますが、その前段階として、コンテンツの特徴と人間の嗜好の本質を探っていくという過程が必要になります。この本質を理解するために、あらゆる情報源を駆使して、分析、観察、洞察していくことになります。推薦システム研究を進めていくことで、少しずつその本質に迫っていくことができるというところが、この分野の面白いところかなと思っています。